ヨルダンの原子炉建設入札 3メーカーが技術提案

ヨルダン国営通信の「ペトラ」は6月30日、同国原子力委員会(JAEC)が3つの国際的な原子炉メーカーから同国初の原子力発電所建設に関する技術提案を受け取ったことを伝えた。

JAECのK.アーラジュ副委員長が明らかにしたもので、仏アレバ社と日本の三菱重工業の合弁事業体であるアトメア社、ロシアの原子力建設輸出企業であるアトムストロイエクスポルト(ASE)社、およびカナダのSNCラバリン社のそれぞれが100万kW程度の原子炉ATMEA1、VVER1000、CANDUの建設を申し入れたもの。ヨルダン首相府が設置した特別入札委員会は4日付けでこれらを開封。今8月中旬までに3社が提出する財務提案と併せて、12月まで評価作業を行うとしている。

ロシアのASE社によると、今回の技術提案は「ターンキー契約で1基建設および2基目のオプション付き」という内容で、1月17日にヨルダン側から提出を求められていた。しかし、福島事故後の3月29日、ヨルダンは同事故の原因となった事象・故障を考慮した安全分析を入札パッケージに含めるよう参加企業に要請してきたという。同社はまた、6月23日付けのヨルダン側の通達により、8月14日までに財務提案を提出する予定だ。

この入札には三菱重工業がアレバ社と組んで参加しているが、日本企業としての輸出には日本とヨルダン二国間の原子力平和利用協定の成立が必要だ。同協定は昨年9月に調印されたものの、日本の国会が未承認。このため、ヨルダンのトゥーカン・エネルギー鉱物資源大臣は「年末の最終決定までに承認されない場合、日仏企業連合は不利かもしれない」と警告したと伝えられている。


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