英・規制当局 「AP1000の問題は解決」

英国の原子炉新設計画で候補設計を審査中の保健安全執行部(HSE)は6月27日、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000に対して提起していた「規制課題(RI)」が解決されたとして、これを解除した。

RIは設計上、潜在的に問題となりそうな部分を建設段階に入る前に特定し、効率的に解決する趣旨のシステム。WH社では、RI解除により同設計が英国の事前設計認証である包括的設計評価(GDA)手続きの中で、設計承認書(DAC)を取得する道筋が見えてきたとして歓迎している。

AP1000では遮へい建屋のモジュールに二重の鋼製プレートの間にコンクリートを充填した構造を提案したが、HSEは昨年2月、同構造が悪天候その他の外部災害から安全系を十分防護できると実証するようWH社に要請。同年10月末までにこの問題の解決提案と証拠文書の提出を求めるRIを提起していた。 HSEは「同構造にはまだ若干、設計上の課題が残されているものの、大きな障害ではなくなった」と明言。最終的なDACの交付前にWH社が十分この問題を解決できると結論付けた。HSEはGDA作業の完了を今年6月に予定していたが、福島事故発生を受けてその教訓を勘案。現在の見通しでは年末までに完了すると見られている。


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