モリブデン99供給 国産事業化に向け検討会発足

井上登美夫・日本核医学会理事は26日の原子力委員会で、モリブデン99/テクネチウム99mの安定供給のための官民検討会での「我が国のテクネチウム製剤の安定供給」に向けてのアクションプランについての検討結果を報告した。

日本のMo‐99およびTc‐99mの安定供給のあり方として、短期的には輸入の多様化を進めるとともに、将来的には一定量の国産化を目指すべきとした。国産化方策の中で、最も具体的検討が進められているのは原子炉内にモリブデン98を挿入し、炉内の中性子を利用することによりモリブデン98をモリブデン99に変換する方法(中性子放射化法)であるが、それでも事業化するには、まだ検討の余地があるとされた。

これを受けて、「Mo‐99製造の事業化に向けた検討会」(仮称)を組織することを発表した。

同会は、(1)世界のモリブデン99の需要量と供給量の今後の見通しについて(2)中性子放射化法の実用化に向けた技術開発の状況について(3)中性子放射化法によるモリブデン99を原料とした製薬プラントの具体化について(4)事業化までの工程について(5)その他の方策による製造について――をテーマにカナダ炉の停止を前にして3年程度を目途として検討を進める。日本アイソトープ協会が事務局を担当し、化研、千代田テクノル、日本核医学会、日本メジフィジックス、日立GEニュークリア・エナジー、富士フイルムRIファーマ、原産協会他が参加する。


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