食品安全委員会 生涯累積線量およそ100ミリSvまで

内閣府の食品安全委員会(小泉直子委員長)は26日、一般公衆の放射性物質の食品健康影響評価をとりまとめた。各核種について、経口摂取による個別の評価値を算出するには至らず、外部被ばくも合わせ、低線量放射線の健康への悪影響が見出されているのは、「生涯の累積線量として、おおよそ100ミリSv以上」とする専門家ワーキンググループによる結論を示すにとどまった。今後、パブリックコメントを踏まえ、厚生労働省に答申される運び。

食品安全委員会では、福島の原子力災害発生に伴う環境中の放射能検出を受け、厚労省の要請により、食品健康影響評価の検討を行ってきた。諮問から間もなく示された緊急取りまとめを受け、厚労省は暫定規制値を定め、引き続き同委では専門家ワーキンググループを設置し、最終的な評価をまとめるべく、4月から計9回の会合を持ち、検討を進めた。評価に際しては、核種として、暫定規制値が定められたヨウ素、セシウム、ウラン、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、ストロンチウムについて、国際機関の公表資料、関連の文献の調査、有識者からのヒアリングなど、幅広く知見を収集し、検討を行ってきたが、経口摂取による健康影響に関するデータは乏しく、化学物質としての毒性が鋭敏なウランを除き、耐容1日摂取量の設定ができる動物実験成績や疫学等の知見は得られなかった。

これらを踏まえ、同グループでは、低線量放射線の影響に関する検討に着手し、入手した文献について、研究デザインや対象集団の妥当性、統計学的有意差の有無、推定ばく露量の適切性、交絡因子の影響などの観点から整理し、悪影響が確認されるのは、生涯累積線量で約100ミリSv以上との判断に至った。また、小児に関しては、より影響を受けやすい可能性があるなどと言及した上、評価書では、食品からの放射性物質の検出状況、日本人の食品摂取の実態なども踏まえてリスク管理をすべきとしている。

ワーキンググループは、26日に検討結果をとりまとめ、直ちに食品安全委員会本会合に報告し、パブリックコメントに付せられる運びとなった。8月2日には、その一環となる意見交換会も行われる。


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