トルコのシノップ建設計画 「日本との交渉、今月末メド」

2019年までに黒海沿岸シノップに140万kW級原子炉を4基程度建設するという計画について、トルコ政府の日本に対する忍耐もついに限界に近づいたようだ。

昨年12月に優先権を与えた日本政府および東芝との交渉は、今年3月の福島事故により中断。エネルギー天然資源省のT.ユルドゥズ大臣は「日本側が(当初期限の3月末以降も)交渉期限の延長を望むのなら協力する用意がある」として、震災後も日本とその技術に対する信頼が揺らいでいないことを強調していた。

しかし同大臣は7月14日、建設計画について7月末までに日本から明確なロードマップを盛り込んだ提案が示されるとの見通しを表明。未確認情報では、この期限までに交渉継続の意思を示さない限り日本との交渉は棚上げし、他国との交渉を開始するとの同省高官の弁が伝えられている。

日本では菅首相が13日に長期的な脱原発政策への転換を個人的意見として表明。海外輸出についても改めて議論が必要としていることから、トルコとの交渉が白紙に戻る可能性も高くなった。

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一方、枝野幸男官房長官は26日の記者会見で、トルコ政府が日本の優先交渉権を7月末にも打ち切るとの報道に関し、「事故の教訓を活かし、高い水準の原子力が実現するよう国際貢献を進めていく」とのわが国の立場を明示。トルコとの交渉の状況については、「具体的なことは話せない」とした上で、経済産業省からトルコへ職員を派遣していることを明らかにした。


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