英国の新設計画、本格始動 地元が事前作業を許可

EDFエナジー社が2基の欧州加圧水型炉(EPR)建設を計画している英国イングランド地方南西部・西サマセット地区の議会は7月28日、同地区内のヒンクリーポイントCサイトにおける事前準備作業の実施を許可した。

7月12日に政府が電力市場改革に関する白書を公表したのに続き、18日に議会が原子力に関する国家政策声明書(NPS)を承認したのを受けたもの。これにより、EDFエナジー社、および同社と合弁事業を組んでいるセントリカ社は、29日付けで「原子力サイト許可」を原子力規制機関(ONR)に申請するとともに、「環境認可」申請書を環境庁に提出。過去20年間で初めて、英国の原子力発電所新設計画が動き出すことになった。

今回、実施が許されたのはサイトに限った準備作業のみで、柵囲いの設置や掘削など。地元コミュニティに生じさせる混乱が最小限になるよう検討されており、新設計画による影響緩和のため、2500万ポンド以上をかけて対応策を講じる約束だ。また、同EDF社が地元地区議会と実施した協議内容に沿って、建設工事が始まれば期間中は毎年1億ポンドが地元経済に投下されることになっている。

次のステップとして、同EDF社は今年後半にも発電所そのものの建設に関する「開発同意命令」を基盤施設計画委員会(IPC)に申請する予定。IPCの決定をもって同計画は正式なものとなる。


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