細野原発相 「原子力安全庁」設立構想 安全委も統合・一元化

細野豪志・原発担当大臣は5日、原子力安全・保安院の経済産業省からの分離を中心とする原子力安全規制に関する組織見直しについて、試案を発表した。試案は、各府省に分かれていた原子力安全規制関係の業務を「一元化」し、新組織を内閣府または環境省の外局とする2案となっている。12年度からの施行開始を目指し、今後、関連法案の国会提出に向け準備を急ぐ考え。

細野大臣は、今回試案の中で、@当面、保安院の経産省からの分離などを中心に進めるA今後の原子力・エネルギー政策の見直しや事故の検証を踏まえた安全規制組織のあり方について広範な検討を進める――の2段階で見直しを行い、12年度末を目途に成案を得ることとした。

まず、保安院の原子力発電や核燃料サイクルに関する規制部門を経産省から分離、原子力安全委員会とも統合するほか、文科省の試験研究炉の規制、環境モニタリング、核セキュリティなども合わせ、「原子力安全庁(仮称」を発足させる。現在の原子力安全基盤機構(JNES)も所管する。

原子力安全委員会については、規制と利用の分離により、中核機能であるダブルチェック機能の意義が薄れることから、位置付け・役割の見直しを行い、新組織のもと、原子力安全審議会(仮称)を設置し、専門的立場から、助言・意見を受ける機能を持たせる。

また新組織には、平時から事故発生を想定した指揮命令系統の明確化や訓練を実施する体制を整備すべく「緊急事態専門官」の新設や、事故発生時の緊密な連携のため地方組織の充実も図る。

第2段階では、より実効的で強力な安全規制組織を目指し、事故の収束への中長期的取組と安全確保、安全規制に係る人材確保・養成を始めとする重要課題について、12年度末までに成案を得るよう広範に検討を進めていく。


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