米国の新設計画、本格始動 ボーグル3、4号機建設で 年末にもCOL発給へ

米ジョージア州でアルビン・ボーグル原子力発電所3、4号機の建設計画を進めているサザン社は9日、今年末にも同計画の建設・運転一括認可(COL)が発給される見通しになったと発表した。

これは同日、米原子力規制委員会(NRC)がCOL発給に必要な最終安全評価報告書(FSER)を発行したほか、同計画で建設が想定されているウェスチングハウス(WH)社製AP1000の設計変更についても、新たな認証(DC)の発給、および同認証の規則制定に必要なFSERを発行したことによるもの。サザン社は「米国で歴史的とも言える新たな原子炉建設許可発給への道筋が見えてきた」と歓迎している。

FSERの発行により、COL発給に先立って開催を義務付けられている公聴会の実施が今秋にも可能になった。その後、NRCの委員5名が、最終判断を下すための投票を行うことになっている。

COLが発給されれば、コンクリート打設など本格的な建設工事開始が可能となり、3、4号機は米国で過去30年ぶりの新設原子炉としてそれぞれ、2016年と17年に完成する予定だ。

サザン社の子会社であるサザン・ニュークリア社は、2006年8月にボーグル3、4号機計画の事前サイト許可(ESP)、翌07年8月には部分的な建設準備作業の実施許可(LWA)をNRCに申請。これに続く08年3月のCOL申請により実質的な審査が始まった。

2010年2月には、原子力発電所の建設計画としては初めて、政府の融資保証(83億3000万ドル)が適用されており、建設サイトでは09年以降、LWAに従って建設準備作業(埋め戻し材や保持壁、貧配合コンクリート等の設置など)が行われている。

投資総額は140億ドルで、完成すれば1、2号機と同様、サザン社最大の子会社であるジョージアパワー社や地元の州営電力、オーグルソープ電力の所有となる。サザン社ではこの計画により、建設期間中に3500名分の雇用が創出されるほか、完成後も800名分の正規雇用が保障されると述べ、地元への波及効果を強調している。


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