地震で非常用電源が起動 米ノースアナ原発

米国のドミニオン社は23日、同国東部バージニア州中央部で午後1時45分に発生した地震により、同社のノースアナ原子力発電所(=写真)の2基(各90万kW級PWR)が運転を停止したと発表した。

同日の午後2時直前に外部電源を喪失したものの所内の非常用ディーゼル発電機が起動しており、安全系は通常どおり稼働。機器の大規模な損傷、および放射性物質の外部への放出はなかった。これに伴い、同社では米原子力規制委員会(NRC)による4ランクの緊急事態尺度で下から2番目にあたる「警戒態勢」を宣言している。

同社によると、この地震は同社がバージニア州南東部で保有するサリー原子力発電所でも感知されたが、さほど激しい揺れではなかったため80万kW級のPWR2基はそのまま運転を継続。この地震はマグニチュード(M)5.8程度で、首都ワシントンD.C.を含む同国東海岸の広い範囲で揺れが感知されたと伝えられている。

メリーランド州のNRC本部では現在、ノースアナ発電所と直接連絡を取りながらその他の連邦機関と対応を調整中。同発電所の状況監視を続けるとともに、東部に立地するその他の原子力発電所における「異常事態」(緊急時尺度の最低ランク)についてもモニタリングしている。また、NRCの手続きに従い、アトランタなど2か所の地域事務所が緊急対応センターを始動。ノースアナも含め影響を受けた原発すべての駐在検査官が状況を注視しているところだ。

「異常事態」宣言したピーチボトム、TMI、サスケハナ、リメリック、セイレム、ホープクリーク、オイスタークリーク、カルバートクリフス、シェアロンハリス、クック、パリセードなどの各発電所では、所内点検をしつつ運転を継続している。


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