米規制委が地震対策に拍車 全基で耐震解析要求へ

米原子力規制委員会(NRC)は1日、全米の商業用原子炉104基における地震危険度の再検証の実施、およびその解析結果の提出を事業者に求める「一般書簡(GL)」の草案を連邦公報に公表した。地震対策として同委が追加で取るべきアクションを特定するのが目的で、同案を年末までに発行するため、10月末まで一般からのコメントを募集。同月半ばには同GL案に関する公聴会も開催する段取りだ。

NRCは、巨大地震が引き金となった福島事故や8月にノースアナ原発を停止させたバージニア州地震が発生する前の2005年から、新規原子炉建設申請に含まれる耐震解析や関係プログラムにより、地震の発生頻度が低いとされる米国東部と中央部における最新の地震災害情報の詳細な影響評価を進めてきた。

また、地震を含めた外部事象に起因する過酷事故への耐性については、原子炉毎に状況報告を求める補足GLを1991年に発行。昨年9月には「既存の原子力発電所では発生し得る地震への安全対策が施されている」と結論付けた「情報通達」を発行している。

従って、今回のGL案は、現在進行中の最新の地震災害情報・検証作業における次のステップという位置付けになる。

GLは規制要件や指針を事業者に通達するためにNRCが発行する書簡で、データ等の要求については法的強制力を伴う。このため、事業者らは正式なGL発行後、1〜2年以内に要求された耐震解析の実施とNRCへの結果情報提供が義務付けられることになる。


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