英国が原子力供給チェーン強化 露と原子力協力合意

英国のロールス・ロイス社は13日、ロシアの総合原子力企業であるロスアトム社と民生用原子力分野で事業協力していくことで合意したと発表した。

これは英国のD.キャメロン首相が国を挙げて推進しているロシアとの貿易拡大政策の一環を成すもの。ロシアが世界中で展開する原子炉建設プロジェクトにロールス社が関わることにより、英国250社の原子力サプライ・チェーンも恩恵を被るなど、英国が獲得する潜在的な契約規模は10億ポンドにのぼると試算。その供給能力と規模の拡大につながるだけでなく、世界の原子炉新設計画に対して強靱な輸出基盤を構築することが可能だと見込んでいる。

この日はキャメロン首相にとって初のモスクワ訪問であり、外務省のW.ヘイグ大臣と貿易投資大臣のグリーン卿に伴われてロシアのD.メドベージェフ大統領と会見。ビジネス界からはロールス社も含め、ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)社や英国航空などから24名のトップ・リーダーが同行した。

同首相によると、すでに英国はロシアにおける最大の直接投資国の1つ。資源に恵まれたロシアに対し、欧州最強のビジネス環境を提供するとともに、さらなる雇用の創出や高付加価値製品の提供などを約束した。

その中でも、ロールス社とロスアトム社の原子力事業協力は地球温暖化防止や低炭素技術開発など両国首脳が追求している協力分野とも合致。ロールス社は英国政府が設置した「先進的原子力機器製造研究センター」でも主導的役割を担っており、同社が得意とするプロジェクト管理や検査、エンジニアリング、計装制御系機器製造といったサービスをロシアに提供していくとしている。


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