運転認可が10年延長 スペインのアスコ原発

スペイン産業観光商工省は9月22日、アスコ原子力発電所1、2号機(各100万kW級PWR)の運転認可を今月から2021年まで10年間延長し、それぞれ37年と35年間運転することを承認した。

同国では2009年7月にサンタマリア・デガローニャ原子力発電所(46.6万kW、BWR)の運転認可を4年延長。同国で初めて、原子力発電所に40年以上の運転を許したのに続き、今年3月にはコフレンテス原発(109.2万kW、BWR)でも10年の認可延長を承認。明確な脱原子力政策で原子炉の新設を禁止しているJ.サパテーロ政権にとって、既存炉の認可延長は電力供給保証や温室効果ガスの排出抑制などの点からも重要な政策事項となっている。

アスコ発電所の認可延長は、今年の7月末に原子力安全委員会(CSN)が産業省に提出した報告書に基づく措置。CSNは過去10年間の同発電所の運転状況、設備の保守点検レベルの適切さについて、39の特別技術報告書と324件の検査結果をチェック。2012年末までに同発電所の組織的、技術的、文化的な側面で強化計画を実行に移し、13年6月までにそれらの有効性に関する最終報告を提出するなど、9件の要求事項を満たす条件で認可延長を全会一致で承認していた。

具体的な強化計画行動としては、建屋の排気システムにおける火災防護システムの変更や安全パラメータ情報処理システムのアップグレード、水素探知システムの導入など、福島事故の教訓が色濃く反映されたものとなっている。


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