サイクル・コスト試算 年内にサイクルの選択肢示す 原子力委・検討小委 直接処分とも比較検討

原子力委員会の原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会(鈴木達治郎座長)が11日、初会合を開いた。エネルギー・環境会議のコスト等検証委員会が原子力発電と他の発電とのコスト比較をしていくのに対し、同小委員会は原子力発電コストのうち核燃料サイクルのコストについて計算していく。検討を進めていくにあたり、プロセスを公開した上で、データ(根拠)に基づく議論をし、合意した点とできない点を整理していくとしている。

11日の第1回会合(=写真)では、直接処分を含む核燃料サイクルのコスト算出条件とモデルについて確認を行った。今回の試算では電源ごとにモデルプラントを想定し、適切な建設単価・燃料費・運転維持費・割引率等を想定して生涯平均コストを試算する「モデルプラント方式」を前提として、核燃料リサイクルを行う「再処理モデル」と、行わない「直接処分モデル」、参考として日本の現状を考慮して「現状モデル」についてコストを算出するという考えが示された。2004年に総合エネルギー調査会電気事業分科会コスト等検討小委員会(委員長=近藤駿介・東京大学大学院工学系研究科教授=当時)が試算したコストの前提条件は同様とし、最新の知見を反映しながら見直しを図っていく。

13日に開催される第2回目の会合では事故リスクコスト算出条件を確認、25日の第3回目の会合では核燃料サイクルコスト・事故リスクコストを算出し、26日の新大綱策定会議で発表した上でコスト等検証委員会に報告する。その後年内に原子力発電・核燃料サイクルのオプションとその特性比較を行い、2012年3月までに原子力発電コストのレビューと原子力発電・核燃料サイクルオプションの整理を行うとしている。


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