滞留水処理10万立方mに 福島第一 1〜3号炉安定化進む

東京電力福島第一原子力発電所の放射性滞留水処理システムにおける累積処理水量が9月末までに10万立方mを超えた。同所では事故発生以降、原子炉冷却のための注水に伴い、高濃度の放射性物質を含む水が大量に滞留し、漏えいによる環境汚染、被ばくのリスクが生じていたため、汚染水から放射性物質を除去した処理水を再利用して原子炉に注水し、発生する量を抑制するシステムを設置し、6月中旬より本格稼働していた。

滞留水の貯蔵・処理状況については、毎週、原子力安全・保安院に報告することとなっており、9月27日現在での累積処理量は、直前1週間の処理量約8160立方mを加え、約10万5190立方mと大台に達した。第2セシウム吸着装置による処理量も約2万1260立方mの実績が上がっているなど、追加の設備も活躍中だ。6月に保安院が評価を行った計画によると、本処理システムでは、11年度末までに約25万立方mが処理される見込み。

また、同1〜3号機原子炉の「冷温停止状態」への移行も進みつつある。11日現在の圧力容器の下部温度は、1号機71.6℃、2号機86.0℃、3号機73.9℃と、事故収束に向けたロードマップで、「冷温停止状態」の必要条件としている「圧力容器底部の温度が概ね100℃以下」となっている。


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