「原子力縮小の必要なし」 英国 福島事故評価で最終報告書

英エネルギー気候変動省(DECC)のC.ヒューン大臣は11日、福島事故における想定外事象の影響と英国の原子力発電部門が安全強化上学ぶべき教訓に関して、英国原子力規制機関(ONR)のM.ウェイトマン長官(=写真)がまとめた最終報告書を議会で公表した。

同最終報告は9月末日にウェイトマン長官がDECCに提出。5月に公表した中間報告書の内容を再確認する結論となっており、「英国の原子力発電所の操業を縮小しなければならないような理由はなく、原子力規制体制や安全評価原則にも根本的な弱点は見あたらない」と明言。同事故の教訓は十分取り入れつつ、政府が2008年から開始した原子力新設計画を、今後もためらうことなく自信を持って進められるよう後押しする内容となっている。

ウェイトマン長官は国際原子力機関(IAEA)による事故調査専門家チームの団長として福島を訪れており、ヒューンDECC大臣は福島事故直後の3月14日に今回の評価報告書の取りまとめを要請していた。

最終報告書によると、中間報告以降に追加で得られた情報により、中間報告で指摘した事項の正当性が改めて裏付けられたという。具体的には以下の点を挙げている。

@事業者は絶え間なく改善を追求するという創始原則を継続すべきだが、英国の原子力発電サイトにおいて操業を縮小しなければならないような理由はない。

A英国の原子力許認可体制や安全評価原則に根本的な弱点は見あたらず、ONRを法的な機関として設置することは原子力規制体制への信頼を一層高めることになるだろう。

B「原子力に関する国家政策声明書」が基盤としている規制当局の戦略的助言を改訂する理由はなく、新規原子炉の現在の立地戦略についても変更する必要はない。

C英国の原発における定期安全審査は、技術と基準の進歩に合わせて継続的な改善を保証していく堅固な手段となる。

D福島事故は、閉鎖した原子力サイトで最大限の決意と意欲を持って廃止措置を講じる必要性を強調した。

E規制当局は、中間報告を受けて政府と原子力産業界が策定した計画や対応策に満足している。

ヒューンDECC大臣は「綿密で詳細かつ信頼できる報告書がまとめられた」としてウェイトマン長官に最高の賛辞を表明。英国の原子力安全体制は世界でもトップレベルであり、今後も原子力で英国の家庭や産業に電力を供給し、雇用を支援していけることが明確になったとしている。


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