枝野大臣「斬新な発想で」 ベンチャー企業も交え議論 経産省「新産業構造部会」が始動

経済産業省の産業構造審議会に新たに設置された「新産業構造部会」(会長=伊藤元重・東京大学経済学研究科教授)が21日、初会合を行い、「日本再生戦略」に反映する今後の成長戦略のあり方について、議論を開始した(=写真)。

経産省では、10年度に産業競争力部会を立ち上げ、新成長戦略に資する「産業構造ビジョン2010」を取りまとめたが、今回の新部会には、ベンチャー企業もメンバーに加え、成長のエンジンとなる新産業創出に向け、「『守り』の空洞化対策」を「『攻め』の空洞化対策」へと推し進めるのがねらい。主な検討事項は、(1)国内の潜在需要を掘り起こす新産業分野のあり方(2)グローバル需要を取り込む為替変動に強い付加価値分野のあり方(3)需要家からの視点に立ったエネルギー政策のあり方――だ。

初会合冒頭、枝野幸男大臣が挨拶に立ち、タイの大規模洪水に伴う日本のサプライチェーン被災に関し、「名も知らぬ企業が産業を支えてきたことを知った」と述べ、中小企業の技術力の重要性を強調し、「斬新な発想で」活発な議論が交わされるよう期待した。

委員からは、サプライチェーンにとって規制が新規参入の阻害となっているとする意見、流通業界他から、地域社会の再生に通ずる女性の活用促進、エンターテイメント業界から、「色々な『引き出し』を利用できる人作りは学校だけではできない」など、人材育成・確保に関する声も多かった。


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