ルーマニアのチェルナボーダ3、4計画 中国が出資参加に関心

ルーマニアの経済・通商・ビジネス省は19日、同国のチェルナボーダ原子力発電所3、4号機の完成計画に対して、中国の広東核電集団有限公司(CGNPC)が投資に関心を表明し、ルーマニア国営の原子力発電会社(SNN)と守秘義務協定を結んだと発表した。同計画では、今年1月に撤退したチェコ電力(CEZ)を皮切りに、GDFスエズ社やイベルドローラ社、および独RWE社が軒並み出資の取り止めを決定。新たな出資者を募っていたルーマニア政府にとって、頼もしい助け船となりそうだ。

この協定はルーマニアと中国両国の経済関係を一層発展強化させる政策の一環として結ばれたもの。今年8月に中国を訪問したルーマニアのE.ボック首相はこの件について中国の胡錦濤国家主席や温家宝首相らと会談しており、ルーマニア側が提案した各10億ユーロ以上という5大プロジェクト――チェルナボーダ3、4号機計画のほか、タルニッツァ水力発電所および2つの運河と環状道路の開発整備計画――に中国が協力していくことになった。8月時点の予定どおり順調に協議が進めば、今後、中国で政府間合同委員会を開催し、計画を具体化していくことになるとしている。

チェルナボーダ3、4号機計画では出力72万kWのCANDU6型炉を2基完成させることになっており、80年代に着工したものの、チャウシェスク政権の崩壊に伴い、91年に建設作業が中断。同計画を再開させるため、08年にSNNは51%出資して管理会社のエネルゴニュークリア社を設立したほか、イタリア電力公社(ENEL)や鉄鋼メーカーのアルセロール・ミッタル社など6社が出資を約束した。

しかし、その後の経済不況により、CEZを含む4社が同計画の経済性と市場での不確定要素を理由に、同計画から撤退していた。


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