福島事故の教訓等で講演 仏CEA長官

仏原子力・代替エネルギー庁(CEA)のB.ビゴ長官は19日、東京の日仏会館で、今後の仏国のエネルギー政策や福島原子力事故の教訓などについて講演した。

同長官は、仏国のエネルギー政策は原子力と再生可能エネルギーを基軸としているとした上で、長期的なエネルギー政策の決定は、一時的な世論の動向や感情に左右されるべきでなく、あらゆる透明性をもった議論を重ねることが重要だと強調した。

現在、同国のフラマンビル・サイトでは欧州加圧水型炉(EPR)が建設中であることに触れ、EPRという新技術の導入により安全性の向上を担保できると指摘。また、原子力発電の運営には、事業者の安全性への尊重と運転員の安全文化遵守が必要だと強調した。

1つの機関が原子力と再生可能エネルギーの両方の研究開発を推進することについては、両エネルギーは従来以上に「補完的な役割を果たす。二項対立させるべきではない」との考えを述べた。

また、福島事故の教訓として、原子炉冷却のための海水注入に関するタイミングなどを挙げた。あらかじめ、極限状態を想定して誰がどのような行動をとるか具体的に準備しておくことの重要性を強調するとともに、過酷事故の際にも放射性物質を放出しない原子炉設計と運転員の訓練の重要性を指摘した。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで