バングラデシュの原子力導入計画 ロシアと建設協定調印

バングラデシュは2日、同国初の原子力発電所建設に関するロシアとの二国間協力協定を首都ダッカで締結した。1960年代からの同国の悲願がロシアの融資提供により、ようやく具体化し始めたもので、2017年〜18年にもダッカの北西200キロメートル、ガンジス川沿岸のルプールで、第3世代の100万kW級ロシア型PWR(VVER)2基の完成を目指す。

協定への調印はバングラデシュのS.ハシナ首相の同席の下、科学情報通信技術省のY.オスマン大臣とロスアトム社のS.キリエンコ総裁が行った。主契約者はロスアトム社傘下のアトムストロイエクスポルト(ASE)社になる予定だ。

ロシアはすでに09年、同国に原子炉建設協力を提案しており、両国政府は原子力平和利用協力協定締結に向けた覚書に調印、10年5月の同協定締結を経て、今年2月には具体的な原子力発電所建設協力について事前合意に達していた。

協定調印に際してハシナ首相は「エネルギーは我々にとって非常に重要であり、開発の必要がある」と断言する一方、設置する原子炉はすべての安全要項を満たさねばならないとして、安全確保の重要性を強調した。

ロスアトム社側も、ロシアの技術によってすべての国際的な要項、とりわけ「福島事故後の安全要項」を満たした原子炉を建設すると明言。具体的には、二重の格納容器や静的な熱除去システム、水素の再結合装置、コア・キャッチャーを装備した設計になると説明している。

なお、2月時点の両国の合意事項によれば、ロシアは原子炉の設計・建設、インフラ整備のほか、規制や法的な枠組の整備、人材育成も支援。原子炉完成後は燃料供給に加えて使用済み燃料の回収、放射性廃棄物の管理、廃止措置についても支援すると伝えられている。


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