ストレステスト審査開始 保安院 事業者報告受け意見聴取

原子力発電所の安全性総合的評価、いわゆる「ストレステスト」に係る意見聴取会の初会合が14日、経済産業省で開かれた。原子力安全・保安院が、事業者から評価結果について報告を受け、審査するプロセスの一環。原則として、公開で行われる。

ストレステストは、福島事故を踏まえ、想定を超す事象に対する建屋、系統、機器等の安全裕度を評価するもので、7月の保安院による実施方針の公表・指示を受け、初回会合の時点で、事業者から評価結果が報告されているのは、定期検査中のプラントを対象とした1次評価で、10月28日に公表された関西電力大飯3号機の1件のみ。

評価報告を受け、保安院による審査では、意見聴取会を開催し、専門家も交えた事業者からのヒアリングを行い、国民からの質問受付、回答、特設ウェブサイトへの公開などを通じ、プロセスの透明化を図る。その上で、保安院としての評価を確定し、原子力安全委員会に報告、審査結果の地元説明、再起動についての政治レベルでの判断といった流れとなる。

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四国電力は14日、伊方3号機に関するストレステストの1次評価報告を、保安院に提出した。関西電力大飯3号機に続いて2件目。評価の結果、基準地震動の1.86倍の揺れ、想定高さを10m以上超える津波でのクリフエッジ(事象の進展が大きく変わる)評価が得られるなど、安全上重要な施設・機器等は、設計を一定程度超える事象に遭遇しても、安全性が確保されるとしている。

同機は、4月29日より定期検査に入っている。


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