除染、インフラ整備後に「戻る」 福島大学 福島事故避難住民にアンケート調査

福島大学災害復興研究所(清水修二所長)は7日、福島県双葉8町村住民実態調査結果報告の速報値を発表した。

同プロジェクトグループは9月、双葉8町村避難先の約2万8200世帯にアンケート用紙を送り、ほぼ半数にあたる約1万3500世帯から回答を得た。

元の居住地に戻るかとの問いに対しては、「安全宣言後すぐ」が4.9%、「インフラ整備後」が17.8%、「除染計画後」が22.7%、「他の町民の帰還後」が27.8%で、全体の73.2%がさまざまな条件付きながら、戻ると回答。一方、「戻る気はない」は26.9%だった。特に34歳以下では52.3%が戻らないと回答している。より詳細な集計によると、約8%の人が「その他」と答えており、判断に迷っていることが伺える。戻らない理由としては「除染が困難」、「国の安全レベルが不安」、「原発収束に期待できない」――など放射能汚染への懸念が挙げられている。

帰還まで待てる年数については、「1〜2年」との回答が最も多く(37.4%)、「1年以内」と合わせると半数以上が2年以内に戻ることを望んでいる。

今後の生活上の困難としては「避難の期間がわからないので何をするのか決められない」(57.8%)、「今後の住居・移動先の目途が立たない」(49.3%)、「放射能の影響がないか心配」(47.4%)――など今後の見通しが見えてこないことに対する不安の声が強かった。

今後の復興については、「双葉地方全体の復興計画づくり」(48.5%)が最も多く、「若い世代の雇用確保などの産業振興」(44.5%)、「高齢者施設や医療施設の充実」(32.2%)がそれに続いた。


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