政府・行政刷新会議 4閣僚が原子力・エネについて議論 提言型政策仕分け始まる FBR開発も俎上に

行政刷新会議の提言型政策仕分けが20日から23日まで都内で行われた。これまで実施してきた事業仕分けの深化をねらうもの。初日は、原子力・エネルギー等について議論した。

原子力関係研究開発については、日本原子力研究開発機構の人件費および管理費を削減し、透明で公正かつ競争性のあるガバナンスに向けた見直しを求めた。

高速増殖炉の技術開発については、来年夏のエネルギー・環境戦略で決定されるが、「もんじゅ」を用いた高速増殖炉研究開発の存続の是非を含め、従来の体制・計画を抜本的に見直し、国民が納得できる結論を出すべきとした。ITER計画は、国際交渉を進めて更なる日本の負担削減の努力を続けていくよう提言した。

原子力発電所の立地対策等については、周辺地域整備資金の取り崩しや資金規模の縮減、電源立地地域対策交付金の事故対策や防災・安全対策への充当などを検討すべき課題として挙げた。一方、最終処分積立金、再処理積立金については、最終処分・再処理等の目的に真に合致する事業のために適切に管理・使用し、取り崩した積立金の使途の情報開示徹底を求めた。原子力発電環境整備機構の広報事業や地層処分実規模設備整備事業は効果に直結しないとして見直しを求めた。

この日最後の「原子力エネルギー等予算のあり方等」では、枝野幸男・経済産業相、中川正春・文部科学相、細野豪志・原発事故担当相、蓮舫・行政刷新担当相の4人が揃って議論を交わした。政策の優先順位が変わったことにともない、既存の原子力・エネルギー関係予算全体を見直し、事故対策や安全確保対策、また再生可能エネルギー利用促進対策等へと転換していくべきだとした。

さらに、エネルギー特会制度の存廃も含めて徹底した見直しに踏み出し、研究開発体制のガバナンス問題の改善、省庁の縦割りを超えた一元管理の仕組みの導入等も検討すべきとした。まとめとして、今回の議論を踏まえた提言を必ず実現するため、関係閣僚間でしっかりと議論をする場を設けることとした。

枝野経産相は、「これまでの『もんじゅ』への投資を新エネルギー・省エネルギーに使っていたらどうなるか、今までの発想から180度転換しなければならない」とする一方、細野大臣は、「『もんじゅ』が限界なのは認めなくてはならないが、使用済み核燃料と核不拡散の2つの問題について答えを出さないとならない」と発言した。中川文科相は「短期と中長期の政策を分けて時間軸をはっきりさせ、変化していく間にどういう技術が可能か考えていくべき」だとした。

蓮舫行政刷新相は、この日出された提言について「今後どのように具現化し変化していくかが大事」だとし、経過を見守っていくことを強調した。


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