【わが国の原子力発電所運転速報】 11月の設備利用率20.1%に 厳冬季前に、各社工夫の節電PR

原産協会の調べによると、11月の国内原子力発電所の稼働状況は、総発電電力量70億9241万kWh(対前年同期比71.7%減)、設備利用率20.1%(同51.2ポイント減)で、10月に自動停止した九州電力の玄海4号機が再開したため、10月の設備利用率18.5%よりわずかに上昇したものの、依然として低水準にある。

一方で、同1号機が12月1日に定期検査入り、また、関西電力美浜2号機が8日に加圧器系統のトラブルにより停止したため、同日時点で、国内で運転中の発電炉は8基にとどまるなど、多くのプラントが戦列を外れる状況となっている。11月2日に復帰した同4号機は、12月25日より定期検査が予定されている。

四国電力伊方発電所では、4月から建設を開始した耐震性を向上させた新事務所(7階建)がほぼ工事を完了、12月中にも運用開始することとなった。新事務所は、大地震が発生しても初動対応や執務機能を維持できる免震構造を採用しており、原子力災害発生時に拠点となる緊急時対策所も、ここに移る。

また、中長期的な津波対策も、各発電所で進みつつあり、中部電力浜岡発電所では11月11日に防波壁本体工事が、東北電力女川発電所では12月1日に、高さ3m(女川工事用基準面約17m)、長さ約600mの防潮堤の本体工事がそれぞれ開始された。

本格的な冬到来を前に、暖房使用による電力需要増に備え、電力各社では、節電を呼びかけており、ホームページ上の「でんき予報」掲載など、電力使用状況の見える化に努めている。例えば、関西電力では、今夏の取組を踏まえ、同社の電源設備に関する項目を新設するなど、より充実した内容となった。


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