除染実施に3700億 12年度概算要求 農地や漁場の復旧も

2012年度の原子力関係経費概算要求について、原子力委員会が11月、各省からヒアリングを行った。11月15日は、国土交通省、農林水産省、消費者庁が、22日は厚生労働省、総務省、原子力安全委員会、外務省、環境省、原子力委員会が、29日は警察庁、厚生労働省、文部科学省、経済産業省が説明を行った。

国土交通省 放射性物質輸送時の安全確認に1100万円、輸送の安全基準策定に必要な調査・解析等に2300万円、輸送講習会に100万円を要求している。

農林水産省 奄美群島のアリモドキゾウムシ根絶防御経費に22億6400万円の内数、沖縄県のウリミバエ侵入防止事業に5億4700万円、沖縄県のイモゾウムシ等根絶事業に1億7800万円を要求した。ウリミバエとイモゾウムシの経費は内閣府一括計上扱いとしている。さらに、放射性物質による農畜産物等影響実態調査対策に7億4400万円、農産物等輸出回復事業に4億3700万円、東日本震災農業生産対策交付金として30億2500万円の内数、農地・森林等の放射性物質除去・低減技術の開発に2億7400万円、森林・林業における放射性物質等対策に20億700万円、漁場復旧・環境調査に101億6700万円を要求している。

消費者庁 食品と放射能に関するリスクコミュニケーションに3100万円を要求している。

総務省消防庁 原子力災害に対する対応体制の充実・強化に1100万円を、福島原発において活動を行った消防職員の健康管理に1500万円を要求している。

原子力安全委員会 事務的経費に1億6800万円、原子力安全確保総合調査に5600万円、公開ヒアリング等の開催費に200万円、原子力安全行政の充実・強化に3億8600万円、震災復興に係る原子力安全確保に必要な経費に3600万円を要求している。

外務省 IAEA分担金として47億7900万円、IAEA技術協力基金として9億400万円、平和利用イニシアティブ拠出金に2億9400万円、原子力安全関連基金拠出金に11億4000万円、二国間原子力協定交渉関連経費900万円、国際活動参加経費600万円、原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練の為の地域協力協定(RCA)関係経費に200万円を要求している。

環境省 独立行政法人国立環境研究所における放射性物質・災害と環境に関する研究の実施の為の体制強化として90億円を、環境モニタリング調査に48億2600万円を、放射性物質により汚染された土壌等の除染の実施に3744億300万円を、放射性物質汚染廃棄物処理事業に772億2400万円を、中間貯蔵施設検討・整備事業に20億円を要求している。

原子力委員会 委員会運営に4900万円、原子力研究開発利用推進調査や原子力政策に対する国際協力の強化など原子力利用の推進に必要な経費として8700万円を要求している。

警察庁 原子力関連施設に対する警戒警備体制の強化として3億700万円を要求している。

厚生労働省 福島第一原子力発電所の緊急作業従事者への健康管理対策予算として6億2000万円を、放射性物質による食品等の汚染に対する取組みへのWHO等による支援として3億6000万円を要求している。

文部科学省 原子力災害からの復興に向けた取組みに338億円、研究開発・人材育成の取組みに1827億円、グリーンイノベーションの推進等に685億円を要求。また、日本原子力研究開発機構の予算は1911億円、もんじゅ関係経費は215億9000万円、ITER計画には226億円を要求している。

経済産業省 原子力災害対策本部の定めたロードマップにおける中長期的課題への対応として21億円、原子力安全確保対策の強化として415億3000万円、原子力安全会議や新規導入国への支援など国際社会における責任ある行動の推進として12億9000万円、立地地域における理解促進や情報提供など信頼回復への対応へ1240億2000万円、当面の課題克服と将来に向けた研究開・人材確保への対応に111億8000万円を要求している。


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