ホットスポット容易に特定 東芝ガンマカメラ 線量を色の変化で

東芝は13日、放射線量を色の変化で表示できる「ポータブルガンマカメラ」(=写真左)を開発したと発表した。重量9.8s、小型軽量で持ち運びも簡便だ。

今後、原子力災害被災地における除染活動が本格化するが、作業の効率化、安全管理のため、放射線量の測定は不可欠だが、放射線量は地域において均一ではなく、局地的に値の高い「ホットスポット」が存在する。このほど開発した機器は、放射線量の高低を、赤、黄、緑、青と色を変えて表示するほか、短時間で広範囲を計測できることから、「ホットスポット」の特定が容易となり、除染活動の効率化が図れる。さらに、除染作業後に撮影を行うことにより、放射線量が低下したことも確認できる。

東芝製の「ガンマカメラ」は、福島原子力発電所の建屋内調査のために使用されていたが、同社独自の半導体検出素子の実装技術や、信号処理・データ処理技術により、感度・測定性能を30倍以上高め、0.1マイクロSv/h(1ミリSv/年相当)という低い線量率での「ホットスポット」特定が可能となった。また、周囲からの放射線を遮へいしながら映像を取得するための設計最適化や、電子回路のコンパクト化により、約50%の軽量化が実現した。

東芝では、12月中に福島市と共同で実証試験を行い、12年初頭から、行政機関等に提案活動を開始することとしている。


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