エネ環境戦略策定へ議論本格化 エネ・環境会議が基本方針決定 最安の原発コスト前提 エネ調、原子力委、中環審で検討

政府の新成長戦略実現会議(議長=野田佳彦首相)の下に設置した関係閣僚で構成するエネルギー・環境会議(議長=古川元久・国家戦略担当相)の第5回会合が12月21日に開かれ、コスト等検証委員会の報告書(=2面に記事)を了承すると共に、今後の基本方針について決定した。同基本方針では、原子力発電について「世界最高水準の安全基準とその客観的かつ厳格な運用を確立するなど、安全対策を抜本的かつ計画的に立て直す」として、今夏を目途に策定する革新的エネルギー・環境戦略に反映させる。

今回会議には、エネルギー問題が国家の最重要課題であるとの認識から、藤村修・内閣官房長官も出席した。

「エネルギー・環境戦略に関する選択肢の提示に向けて」と題する基本方針は、(1)選択肢の提示に向けた基本的な姿勢(2)原子力政策、エネルギー・ミックス、温暖化対策に関する選択肢提示に向けた基本方針(3)日本再生の核となるグリーン成長戦略の策定──の3項目からなる。

今回のエネ環境戦略の見直しが、東電・福島第一原発の過酷事故の発生が発端であったことから、「原発への依存度低減に向け、国際的な情勢も視野に入れ、エネルギー安全保障や地球温暖化対策との両立をも図るという姿勢で臨む」ことを基本姿勢としている。

また、中長期的な原子力政策のあり方については、「核燃料サイクル政策も含む原子力政策の徹底検証を行う中で、安全、環境、エネルギー安全保障、経済性などの論点を整理した上で、選択肢を提示する」としている。

今後、同基本方針に基づき、今春を目途に総合資源エネルギー調査会、原子力委員会、中央環境審議会などで各政策の選択肢の原案を策定することを求め、同会議が集約して「複数の選択肢を統一的に提示する」方針を打ち出している。

その選択肢を元に、原子力推進の賛成・反対の二項対立ではない国民的な議論を展開し、今夏を目途に「革新的エネルギー・環境戦略」を決定することにしている。


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