東海岸・中部、2地点8基分 韓国、新サイトを選定

韓国水力原子力会社(KHNP)は12月23日、原子力発電所の新規建設候補地として日本海に面した慶尚北道の盈徳(ヨンドク)と江原道の三陟(サムチョク)を選定したと発表した。今年上半期中にも事前環境評価などの関連手続きを経て、政府の電源開発事業予定区域として申請する計画だ。福島事故後、世界各国で原子力政策の方向性が見直されるなか、原子力を国の代表的な輸出産業と位置付ける韓国では、国内でも電力の安定供給やエネルギー・セキュリティおよび海外依存度軽減のため、今後も原子力開発を積極的に拡大する方針。こうした背景から、KHNPは候補地選定に際して原子力事業の誘致に賛意を表明してくれた地元地域に対して深い感謝の意を表明している。

KHNPは2010年に、専門機関の研究を通じて新規建設サイトとして適切と確認された地域を対象に原子力発電所建設の誘致を要請。それらのうち、盈徳と三陟のほか、すでに原子力発電所が設置されている蔚珍の3自治体が地方議会の同意を得て誘致申請した。

その後約1年間、公正かつ客観的なサイト選定のために分野別の専門家を集めて設置した選定委員会は、選定評価基準を設けて誘致申請地域の安全性や環境、建設の適合性、地元住民の受容性などについて総合的に評価。今後は、今年上半期に事前環境評価を実施した後、下半期に知識経済部を始めとする関係省庁と協議し、年末には知識経済部がサイトとして確定という手順を踏んでいくことになるとしている。KHNPによると、今回選定した2サイトは、それぞれ原子炉4基の設置が可能な広さがあり、原子炉が首尾良く建設できれば、同国の電力供給等に大きく貢献する見通しだ。

韓国では現在、商業炉21基が稼働中のほか、5基を建設中。5基のうち2基はアラブ首長国連邦(UAE)に輸出が決まったAPR1400の基準モデルで、新蔚珍原子力発電所で計画中の2基にも採用が決まっている。


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