人材育成NWが初の報告会開催

原子力関係機関が参加し効果的な人材育成の推進を目指す「原子力人材育成ネットワーク」は昨年12月20日、都内で第1回報告会を開催(=写真)し、ネットワーク発足から1年間の活動を振り返るとともに今後に向けた情報・意見交換を行った。

同ネットワークの運営委員長でもある原産協会の服部拓也理事長は開会挨拶の中で、「福島原子力発電所事故を踏まえネットワークは8月、原子力人材育成の方向性を整理し、技術者・研究者にとり高い倫理観と安全文化が必須であるとの観点から人材育成に取り組み、安全確保に貢献するとの覚悟をあらたにした」と述べるとともに、世界の今後の原子力発電所の安全を確実にし維持していく上で、事故の反省を胸に刻んだ適切な人材の育成・確保のためにも同ネットワークの使命は大きいと強調した。

特別講演者として出席した松浦祥次郎・元原子力安全委員長は講演の中で、原子力活動にふさわしい人材について触れ、(1)常に問い直す態度(2)厳正で慎重な思考と行動(3)情報の伝達と共有――が原子力安全文化を体現するために必要な基本的特性と指摘し、安全文化は実務を通じて醸成・堅持され、次世代に継承されることが不可欠と強調した。

このほか、報告会では過去1年間に行われた活動がそれぞれ紹介された。

ネットワーク事務局を中心とした国内人材の国際化・高等教育や初等中等教育・実務段階人材育成に関する活動状況、ネットワークシステム構築の現状が報告されたほか、参加機関である大学や高等専門学校、研究機関や産業界からは個々の特徴を活かした人材育成活動の具体的取り組みが紹介された。


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