通常国会 開会 野田首相、初の施政方針演説 原子力への依存度低減を

第180回(通常)国会が24日招集され、野田佳彦首相が衆参各本会議で就任後初の施政方針演説を、主要閣僚がそれぞれ演説を行った。

野田首相はまず、現内閣がやらなければならないこととして、(1)大震災からの復旧・復興(2)原発事故との戦い(3)日本経済の再生──を挙げ、2月上旬に復興庁を立ち上げるだけでなく、「被災地の苦難の日々に寄り添いながら、全ての日本人が力を合わせて、『復興を通じた日本再生』という歴史の1ページを共に作り上げて行こうではありませんか」と国民に訴えかけた。

特に、福島再生では、事故収束の「ステップ2」完了は、「廃炉に至るまで長く続く工程の一里塚に過ぎない」とし、「美しいふるさとを取り戻す道のりは、これから本格的に始まる」と述べ、生活環境の再建、公共サービスの早期再開、住民の健康管理、食の安全への信頼回復などに取り組む、とした。

同首相は経済再生のためには、エネルギー政策の再構築が不可欠とし、「中長期的に原子力への依存度を最大限に低減させる」との方針を示した。また、独立行政法人と特別会計の数などを削減する方針も改めて示している。

玄葉外相は、外交演説で、原子力安全について、福島事故の徹底検証とそこから得られた知見と教訓を国際社会と共有し、「国際的な原子力安全の向上に貢献していくことは我が国が果すべき責務」と述べ、今年後半に国際原子力機関との共催で、原子力安全に関するハイレベルの国際会議を日本で開催する、とした。

安住財務相は、財政演説で、「原子力関係の既存予算の大幅な縮減と安全・事故対策等へのシフト」を表明、エネルギー対策費については、福島事故を踏まえて、「原子力安全対策や電力供給不足への対応等に重点化」したと述べた。

古川経済財政相は、経済演説で、エネルギーの安定供給は日本経済再生の前提条件であると同時に、将来のエネルギー供給のあり方を見据えたものでなければならないとし、「原発への依存度を中期的に下げていく中で、イノベーションの実現によって、温暖化対策にもつながる再生可能エネルギーや蓄電池等の普及・促進による省エネ、創エネ、畜エネの推進に強力に取り組む」と述べた。


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