IAEAが調査団派遣 イランの核開発疑惑問題で

国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は19日、加盟各国に対する年頭所感の中で「2012年の最優先事項はイランの原子力開発計画における平和利用性に国際的な信用を取り戻すことだ」と明言し、今月末にもH.ナッカーツ保障措置担当事務局次長を団長とする調査チームを同国に派遣する考えを明らかにした。IAEAにとってイラン問題は保障措置上、最も重要な課題。同事務局長は疑惑解明のため、イランと建設的に向き合うと確約するとともに、同国側も同様に建設的な協議に応じると信じていると述べた。

核開発疑惑が高まるイランに対しては、国連安保理事会の度重なる制裁決議に加えて、2010年以降、米国と欧州連合が歩調を合わせた制裁措置を決定するなど緊張が高まっている。IAEAも09年にイランから第2ウラン濃縮工場の存在を通達されて以来、同国の濃縮活動が研究炉用燃料製造など平和利用に限定されるよう複数の代替案を提示。保障措置により原子力の軍事転用を監視する機関として事態の打開に奔走していた。

天野事務局長の前任者であるM.エルバラダイ氏はイランの研究炉が純粋に人道目的であると認め、その燃料供給は確保されるべきとの立場を取っていた。一方、天野事務局長は昨年11月の理事会で、イランの保障措置協定履行に関する報告書の中で同国からは必要な協力が得られていない点を憂慮。「イランの原子力開発計画における軍事的側面について深刻に危惧している」とし、これまでに収集した情報はイランによる核爆発物開発活動を示していると結論付けた。また、濃縮活動の停止や保障措置協定・追加議定書の条項遵守を含め、国際社会の信用を得る方向に動き出すよう同国に強く促していた。


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