追尾照射で4次元治療 三菱重工 動くがん病巣を把握

三菱重工業が先端医療センター(兵庫県神戸市)に納入した放射線治療装置MHI vero 4DRT(線形加速器システムMHI‐TM2000=写真)がこのほど、肺がんに対する本格的な追尾治療を開始した。

同装置は世界で初めて、X線体内撮影画像装置から得られた情報により、呼吸などで揺れ動いてしまうがん病巣の位置をリアルタイムに把握し、放射線照射ヘッドを自在に動かして腫瘍全体をモニタリングしながら、世界最高レベルの精度で、がん病巣だけに集中して連続照射することを可能にした。

追尾照射機能は、三菱重工業が保有する画像処理と放射線を高精度に照射する技術を融合して実現したもので、これまでの立体的な(3次元)位置情報に時間要素を加えた4次元治療を可能とした。追尾治療を行う施設は、昨年9月に開始した京都大学医学部附属病院に次ぎ2か所目。

同装置開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の基盤技術研究促進事業により基盤技術を確立し、京都大学、先端医療センターおよび京都医療科学大学が協力している。


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