東芝、アレバが入札書提出 フィンランドの新設計画

フィンランドで原子力発電所の建設を計画しているフェンノボイマ社は1月31日、供給業者候補として選定済みの仏アレバ社と東芝の双方から商業入札書を受領したと発表した。原子炉系統とタービン発電機器両設備のエンジニアリングと調達および建設についてカバーする内容で、今年から2013年にかけて、どちらを選択するか判断を下すとしている。

電力コンソーシアムのフェンノボイマ社は昨年10月に建設サイトをフィンランド中西部、ボスニア湾に面したピュハヨキに正式決定。立地点が位置する半島名に因んで「ハンヒキビ原子力発電所1号機(HA1)」と命名した同炉の出力は最大180万kWを予定しており、現段階ではアレバ社製・170万kWの欧州加圧水型炉(EPR)と東芝製・160万kWのABWRが候補炉型となっている。

これら2設計に関しては、すでに2010年末に両社と技術開発(先行エンジニアリング)協定を締結し、両設計がフィンランドの安全要項およびフェンノボイマ社の技術要項を満たしている点を確認。現在は両社が提出した技術入札書の評価作業を行っているところだ。アレバ社の提案では、EPRのタービン系統はアルストム社か独シーメンス社が供給することになるが、ABWRが選択された場合は東芝が原子炉のみならずタービン系の供給についても自社で対応することになる。

いずれにせよ、機器供給契約の具体的な範囲は今後の交渉如何でプロジェクト全体の日程とともに決定する計画。今回受領した入札書では、地ならしや掘削、海洋設備建設などの準備作業が含まれないほか、事務所ビルやビジターセンター、約1000名の作業員宿舎の建設工事も入札範囲外だとしている。また、現在、様々な環境調査が行われている建設サイトは森林の中に位置するため、サイトを結ぶ道路と地元インフラの整備が建設工事の最初の作業となる。


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