DOEの予算要求に不満表明 米NEI

DOEの予算要求案について、米原子力エネルギー協会(NEI)は13日、「軍事用ウラン濃縮工場の除染と廃止措置経費として、産業界から年間2億ドルの税を最低10年間にわたり徴収しようとしている」として強い不満の意を表明した。

DOEはかつて、オハイオ、ケンタッキーおよびテネシーの3州に核兵器用のガス拡散法ウラン濃縮工場を建設。冷戦後、産業界はこれらの工場から商業炉用に濃縮サービスを購入していたため、DOEが創設した除染・廃止措置基金に一時期、その解体・浄化資金として総計26億ドルの特別税を払い込んでいた。

NEIによると、DOEの13年度予算要求は産業界に対して三度、この特別税の払い込みを復活させる内容となっており、政府の法的義務不履行を民間会社に埋め合わせさせようとする言語道断の試みだと非難した。

NEIはまた、原子力関係予算全体の縮小により、大学における原子力プログラムのほか技術革新、原子炉概念の研究開発費用が削減された点を憂慮。オバマ大統領が呼びかけている技術開発の進展や科学技術教育の重視と矛盾しており、短期的な利益で長期的な利益を犠牲にしている。将来的に優秀な人材を確保するのにも支障を来すとの懸念を表明している。

一方、SMR予算の維持については「相対的に明るい点だ」と評価。有識者委員会勧告の実行に放射性廃棄物基金を利用という部分については、「政府には基金への払い込み停止も含め、もっと大胆な手段を取って欲しい」との要望を明らかにした。


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