避難目安の50ミリSv未満 福島県 外部被ばく推計値発表

福島県の県民健康管理調査検討委員会は20日、先行調査地域(川俣町山木屋地区、浪江町、飯舘村)1万468名について、事故から4か月間の外部被ばく積算実効線量の推計値を発表した。放射線医学総合研究所が開発した評価システムを用い、11年3月11日から7月11日までの同県民の行動記録を基にして外部被ばく積算実効線量を推計している。

放射線業務従事経験者を除く9747名(川俣町山木屋地区553名、浪江町7250名、飯舘村1944名)の積算実効線量推計結果については、1ミリSv未満が5636名(57.8%)、10ミリSv未満が9676名(99.3%)で、10ミリSv超は71名(最大で23.0ミリSv)だった。このうち、20歳未満(1693名)では、1ミリSv未満が1035名(61.1%)、10ミリSv未満が1692名(99.9%)、10ミリSv超は1人で18.1ミリSvが最大だった。

また、放射線業務従事経験者を含む全数(1万468名)の積算実効線量は、1ミリSv未満が6070名(58.0%)、10ミリSv未満が1万373名(99.1%)、10ミリSv超は95名(最大47.21ミリSv)だった。

避難が必要な予測線量は50ミリSv。疫学調査では100ミリSv以下での明らかな健康への影響は確認されておらず、今回の外部被ばく線量の推計値からは「放射線による健康影響があるとは考えにくい」と評価している。

福島県では、県民1人1人の行動を把握し全県民の外部被ばく線量を推計する基本調査を実施しており、1月末時点での調査回収状況は対象者の21.0%、先行調査地域の回収状況は同52.1%となっている。さらに詳細調査として、震災時18歳以下の県民を対象とした甲状腺超音波検査、避難区域等の県民を対象とした検査項目を拡充しての健康診査、妊産婦や生活習慣や心の健康度に関する質問紙調査などに取り組んでおり、今後も長期にわたり継続して県民の健康を管理していくとしている。


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