原子力の位置付け、「明確化」を 全国知事会 資源エネ調査会で発言

経済産業省の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会(委員長=三村明夫・新日本製鉄会長)は2月22日、橋本昌・茨城県知事からのヒアリングを行った。知事は、原子力発電所の再稼働に関して、「政府としての方針を早急に示して欲しい」と述べるなど、原子力の位置付けの明確化を訴えた。

橋本知事は、全国知事会の立場から、地方自治体から見たエネルギー政策見直しに向けた論点を示し、その中で、安定供給の前提として、「安全・安心」確保の位置付けを第一に掲げた上で、節約型社会の構築、再生可能エネルギーの普及・促進に向けて、ライフスタイルの転換、課題解決、積極的支援が図られるよう求めた。

また、今後の原子力発電に関する課題としては、福島事故を踏まえた新たな安全基準の策定、バックエンド対策の推進、立地地域住民を始めとした国民的議論による合意形成などをあげたほか、人口密集地に原子力発電所を有する茨城県として、橋本知事は、災害発生時の住民避難は「極めて困難」などと、防災対策に関する強い懸念をあらわにした。

会合では、この他、再生可能エネルギーの導入、化石燃料の確保について、資源エネルギー庁から現状説明を受け、質疑応答が行われた。同庁によると、11年1〜11月の一般電気事業者による燃料受入量は、原油で前年比77.4%増、LNGで同18.2%増などとなっており、震災以降の化石燃料消費の急増が顕在化している。

基本問題委員会では、各エネルギー源に関する議論一巡を受け、エネルギーミックスの選択肢提示に向け、今後、各委員から定量的データ・試算に基づく意見を求め、14日の会合で紹介する。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで