緊急時対応イニシアチブ承認 米原子力協会

米原子力エネルギー協会(NEI)は2月21日、原子力発電所の緊急事態に備え、所内にポータブル対応機器を追加で調達・装備するイニシアチブを同産業界の統一見解として承認したと発表した。

これは福島事故の教訓を米国の原発に出来るだけ早急に反映させるため、米国の原子力産業界が米原子力規制委員会(NRC)に実施を提案していた「フレックス戦略」を反映したもの。NRCではこの「柔軟かつ多様な」対応能力戦略について、その他の規制上の課題を評価・解決している間に、さし当たり手早く取れる実際的な安全対策と認識している。

具体的な追加機器としてNEIが列挙したのは、ディーゼル駆動のポンプや発電機に始まり換気ファン、ホース、取り付け金具、ケーブル、通信装置まで多岐にわたる。この中には食糧や水など緊急時に必要な支援物資も含まれている。

米国内で原子力発電所を操業する事業者はすでに、原子炉の安全性を多重補強する300以上の品目を注文済み。今回のイニシアチブにより、事業者は3月末までに発電所固有の緊急時対応機器で発注契約を結ぶことになる。それらは所内の様々な地点に保管され、施設の多重安全システム等が危険にさらされた場合に確実に使用できるよう防護されるとしている。

NEIでは、今回特定された機器の多くが原子炉設計に組み込まれた安全システムや、それらのバックアップ用として、すでに配備済みの設備を支援するのに役立つと強調。高圧ポンプや大容量発電機など、いくつかの機器については、今年の後半までに一層詳細かつ発電所に固有の設計分析が完了するはずだと指摘した。


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