4トントラックにも積める 除染システム 被災地で実証実験

コンバート有限責任事業組合は、「移動式除染・減容化システム」(=写真)を3月より提供開始する。広和金属工業が開発した車載式熱分解装置「コンバート」と、インパクトが開発した放射性セシウム吸着剤「MI―4A(エムアイ・フォーエイ)」を組み合わせたもの。

「コンバート」は、4トントラックに車載可能な熱分解装置で、従来型装置の6分の1以下の大きさ。約2トン(約1立方メートル)の汚染土壌を1時間で除染・減容化し、高濃度セシウムを抽出できる(コンバート標準タイプPW2―6000の場合)。400〜500℃で炭化することで、汚染廃棄物の体積を最大10分の1程度まで減容可能。内部機構に回転キルン型を採用しているため、連続投入もできる。

また、焼却炉は環境アセスメントや設置許可が必要となるが、同装置は排出されるガスを燃焼させずに分解することで無害化する熱分解装置に区分されており、どこでも容易に運搬、設置できる。

一方、「MI―4A」は、30秒から3分未満で99%以上のセシウムを凝集させて沈殿できる水処理用の吸着剤。約1.5kgの「MI―4A」で1トンの汚染水処理が可能で、同量のゼオライトに比べ約10倍の処理能力で約2分の1の価格となっている。

現在、「コンバート」と「MI―4A」は福島県と宮城県内において実証実験が進められており、汚染土壌や廃棄物をその場で直ちに低コストで除染・減容化できる技術として自治体や産業廃棄物処理業者などで活用されることが期待されている。


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