安定供給の使命認識 電事連 震災1周年を経過し

八木誠・電気事業連合会会長(関西電力社長)は、16日の定例記者会見で、東日本大震災発生1周年を受け、被災した電力設備の復旧、福島原子力発電所事故を踏まえた安全強化対策の進展状況を述べた上で、原子力災害に伴う被災地除染、事故炉の廃炉対策など、今後、取り組むべき課題を掲げるとともに、電気事業者の使命として、引き続き、低廉で良質な電力の安定供給に努めていく考えを示した。

八木会長は冒頭、被災地・住民の早急な復興を祈念し、また、原子力事故により、地元を始め広く社会に不安を与えたことに対し、電力業界を代表し改めて謝罪。また、この1年を「かつて経験したことのない『非常事態の連続』」だったと振り返り、大震災により東北・関東地方の太平洋岸を中心とする電力設備に甚大な影響があったものの、総力を挙げ、資機材の支援、電力や燃料を融通した結果、早期の復旧が遂げられたとしている。一方で、やむなく実施された震災直後の計画停電や、夏季需要ピーク期における電力使用制限への理解、これまでの節電協力に対し、謝意を述べた。

原子力事故に関しては、「二度と起こさない」という決意のもと、国内全発電所において、電源や冷却機能などを多重化・多様化する緊急安全対策、ストレステストによる安全余裕の定量的評価を進めているほか、今後は、安全対策推進のための新組織を設立するなど、継続的な設備・運用面での改善を徹底的に行い、「世界トップレベルの安全性」を追求していくこととしている。

また、今後の原子力災害収束に際してはまず、発電所周辺地域の除染活動や住民の早期帰還に向けた支援を第一に、さらに、事故炉については、燃料の取り出し、廃止措置に向けた取組を着実に進めていくとした。


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