総合資源エネ調査会 委員の視点盛り込み再整理 エネ・ミックス選択肢、審議佳境

経済産業省の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会(委員長=三村明夫・新日本製鉄会長)は27日、前回会合までに行った各委員からのエネルギーミックスの選択肢に関する意見照会集約を、原子力発電の比率で「0%」、「5%」、「20%」、「25%」、「35%」と、数字を示さない意見とに類別し、これらに関する基本的考え方・視点も加えた「A」〜「F」のカテゴリーに再整理し議論した。今後は、5月のエネルギー・環境会議への選択肢提示に向け、さらに集約を図り検討を進めていく。

27日の会合で示されたエネルギー・ミックス選択肢「A」〜「F」の原子力発電比率(各委員提示の数値は5%単位で丸め)と基本的考え方は以下の通り。

A【数値なし】=社会的に最適なエネルギーミックスは、社会的コストを負担させられた最終需要家が選ぶもの。その前提として、数字の議論の前にエネルギーセキュリティ等の考え方を議論して、「市場の失敗」等に対応する政策を考えるべき。

B【0%】=原発事故の甚大な被害や地震国という現実を直視し、原子力発電比率をできるだけ早くゼロにするとともに、エネルギー安全保障、地球温暖化対策の観点等から、再生可能エネルギーを基軸とした社会を構築する。

C【5%】=原子力発電に関わるすべてのコストを事業者に負担させる。電源選択を市場メカニズムに委ねれば、結果的に原子力発電の比率は低下し、ゼロになる可能性も低くない。

D【20%】=原子力発電の安全基準や規制体制の再構築を行った上で原子力発電への依存度を低減させるが、多様な電源構成によるエネルギー安全保障向上、原子力平和利用国としての責任や人材・技術基盤の確保等の観点から、一定の原子力発電比率を維持。

E【25%】=事故の教訓を活かし、わが国の原子力発電技術の安全性を格段に高め、エネルギー安全保障や地球温暖化対策の観点から原子力発電を引き続き基幹エネルギーとして位置付け、世界のエネルギー問題に貢献。

F【35%】=エネルギー安全保障と経済成長を両立させつつ、最先端の低炭素社会を構築するため、国民から信頼される安全規制体制を確立し、現状程度の原子力発電の設備容量を維持。


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