廃炉工程など説明 中長期措置検討結果 郡山で意見交換会

原子力委員会は24日、「福島第一原発の中長期措置について御意見を聞く会」を福島県郡山市で開催した。

近藤駿介・原子力委員長と園田康博・大臣政務官の挨拶後、事務局が福島第一原子力発電所における中長期措置に関する検討結果について説明。続いて、山下和彦・東京電力原子力・立地本部福島第一対策担当より福島第一原子力発電所の現在の状況について、朝日弘・経済産業省エネルギー・環境担当審議官より同1〜4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップについて説明した。

これを受け、太田勝正・名古屋大学医学部教授がコメントし、「依然としてサイト内は線量が高いためすぐ取りかかれる有効な技術はなく、頑張っても年単位での取り組みとなる」ことに理解を求めた。また、地元から、角山茂章・会津大学学長が「人と組織――人は石垣、人は城」と題し、国と地方が対話する機会の重要性や、専門知識と組織の統率力を兼ね備えた人材育成の必要性について発表した。

住民との意見交換では、県外へ避難させた子どもと離れて暮らすことについての憤怒や有機農業を続けることへの不安の声が相次いだ。会場には佐藤栄佐久・前福島県知事も姿を見せ、04年の国会でも福島県民の立場を主張したことなどを語った。これに対し、近藤委員長は、当時を振り返り、前回の大綱策定時に、地元住民の苦労や深層防護について反映した経緯を説明した。

予定時刻を過ぎても参加者の意見が尽きなかったが、主催側は今後も住民との対話を続けていくとした。


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