フィンランド 新設計画で入札手続き 三菱重工がAPWRで先行エンジ契約

フィンランドのテオリスーデン・ボイマ社(TVO)は26日、オルキルオト原子力発電所4号機(OL4)建設計画の入札について、フィージビリティ・スタディ(FS)など先行エンジニアリング段階の手続きを開始した。2020年の運開を目標に来年初頭から入札を開始する計画で、すでに同日、三菱重工業が170万kW級の「EU−APWR」で先行エンジニアリング契約を受注。TVOが候補としている仏アレバ、GE日立、韓国水力原子力(KHNP)および東芝とともにEPC(設計・調達・建設)契約獲得に向け、厳しい競争を展開していくと予想される。

TVOは国内産業や個人顧客に対する電力の安定供給のみならず、温室効果ガスの排出抑制目標達成の観点から、チェルノブイリ事故後の2005年に欧州で初めて原子力発電設備の増強に着手。南西部のボスニア湾に面したオルキルオト島で3号機の建設作業が起動準備段階を迎えており、OL4は原子力発電インフラが整った同じ敷地内での建設となる。

同社はまず08年4月、出力100万〜180万kWのOL4建設計画について「原則決定(DIP)」を政府に申請。10年5月の政府承認の後、同年7月に議会がDIPを承認したことから、候補設計となる原子炉のFSやメーカーの選定など、遅くとも15年の建設許可申請に向けて作業を進めている。今回、入札準備段階を迎え、TVOは候補設計がフィンランドの安全規制要件やTVOの技術要件などEPCの実施諸条件に適合しているかを確認予定。そのため、現在50名ほどのOL4チームを拡大編成しているところだ。

現時点での候補設計は、三菱重工が欧州市場向けに開発したAPWRも含めて、アレバ社の欧州加圧水型炉(EPR)、GE日立のESBWR(高経済性・単純化沸騰水型炉)、KHNPのAPR1400、東芝のABWRの5設計。三菱重工はすでに今月、現地の活動拠点として首都ヘルシンキに連絡員事務所を開設しており、TVOや同国の原子力安全当局などと連携してEPC遂行のための基盤整備や関係情報の収集を実施する。

同社のAPWRはこれまでに、米国の新規計画となるコマンチェピーク3、4号機およびノースアナ3号機で採用が決定。OL4の受注を獲得して、欧州市場向けAPWRについても販売に弾みを付けたい考えだ。


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