英国の新設計画から撤退 独RWE社とE・ON社

英国で原子力発電所の新設を共同で計画していたドイツのRWE社およびE・ON社は3月29日、同計画から撤退すると発表した。福島事故後、ドイツ政府が決定した脱原子力政策により、両社の保有原子炉が閉鎖に追い込まれるなど財政的に大きな損失を被ったのが主な理由だと説明。両社が同計画のために共同出資していたホライズン社については今後、新たな所有者を募集し、株式を売却する方針だ。

この決定について英国エネルギー気候変動省のC.ヘンドリー閣外相は「非常に残念だが、英国の原子力新設計画では依然として複数の企業連合が計画を継続中だ」とコメント。ドイツ企業の撤退は英国の新設計画に対する疑念が原因ではない点を強調している。

RWE社とE・ON社は50対50の出資比率で2009年にホライズン・ニュークリア社を設立。ドイツ国内での新規建設が見込めないことから、英国グローセスター州南部のオールドベリー、北ウェールズのウィルファ両原子力発電所の隣接区域を昨年10月末までに用地として確保し、2025年までに約600万kWの原子力発電設備建設を計画していた。

しかし、福島事故にともないドイツのメルケル政権は2022年までに国内の17基を段階的に閉鎖する判断を下し、当時停止中だった古い原子炉8基については直ちに閉鎖を決定した。欧州原子力産業会議連合(FORATOM)によると、ウンターベーザーおよびイザール原発の閉鎖に伴うE・ON社の損失は15億ユーロに達しており、核燃料税および廃止措置の加速経費を含めると同社が脱原子力政策により被った財政的な影響は過去12か月で25億ユーロにのぼる。

また、ビブリス発電所の2基の閉鎖と核燃料税により、RWE社は約10億ユーロを失い、純利益は2011年実績で45.4%の下落となった。

こうした財政的な事情から、E・ON社らはホライズン社のプロジェクトが魅力的な案件であることを強調しながらも、原子炉建設では長いリードタイムと大規模な投資が必要であり、自分達にとっては最早魅力的ではなくなったと指摘。今後は一層短期的に利益が見込める適切な戦略的プロジェクトに投資を集中するとしている。

英国では現在、EDFエナジー社が英国のセントリカ社と組んで、ヒンクリーポイントCおよびサイズウェルの2地点で欧州加圧水型炉(EPR)4基の建設計画を推進中。GDFスエズ社など4社の企業連合もセラフィールドで最大360万kWの原子力発電設備建設を検討している。


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