モデル実証事業 コスト考慮し本格除染へ 土壌・道路80%以上の効果

内閣府原子力被災者生活支援チーム、環境省、日本原子力研究開発機構(JAEA)は3日の原子力委員会で、除染モデル実証事業等の成果について説明した。成果報告会は3月26日に、福島市公会堂で開催されており、約1200人が参加している。

警戒区域、計画的避難区域等の12市町村を対象とした除染の効果的な実施に必要となる同実証実験は、内閣府より委託を受けてJAEAが主体となって行われた。JAEAの請負で大成建設、鹿島建設、大林組の各共同事業体が実証事業を所掌し、除染作業効率化や除染除去物減容化等に関する25件の技術提案について、平均事業予算を1件あたり原則2000万円程度として実施した。

結果、土壌除染と道路除染については、80%以上の除染効果があり、コストなどを考慮しながら本格除染に利用可能とした。水処理については、高濃度に汚染した土壌を処理した水であっても100Bq/kg以下にする技術が複数あることが実証され、凝集作用とろ過の組み合わせで放射能濃度は十分に低減できるとした。木材除染については、水洗で樹皮(バーク)は30%以上、木質がれき(丸太)で80%以上の除染効果があり、飛灰飛散や排気の対策を行った小型焼却炉で高減容が可能だとした。

環境省は、除染の今後の取り組みについて、役場や公民館等において先行除染を実施し、20ミリSv/年以下避難指示解除準備区域、20ミリSv/年〜50ミリSv/年居住制限区域については、住民の同意と仮置場の確保等の諸条件が整い次第、除染作業を開始すると報告した。50ミリSv/年以上の帰還困難区域においては引き続きモデル事業を実施していく。


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