ニュースケール社 SMRでニューハブ社と協力へ

米国で出力4.5万kWの小型モジュール式原子炉(SMR)(=図)を開発しているニュースケール社は11日、サウスカロライナ(SC)州サバンナリバー・サイト(SRS)におけるSMR建設計画を加速するため、SC州の州都・コロンビア市で原子力研究開発・実証に関するイニシアチブを推進するニューハブ社との協力合意に達した。

米エネルギー省(DOE)が3月に公表したSMR開発・商業化促進用の財政支援・4億5200万ドルの適用を受けるため、ニューハブ社は地元の複数企業の力を結集して、ニュースケール社のSMRが米原子力規制委員会(NRC)から設計認証(DC)を取得し、建設・運転一括認可(COL)のレファレンス設計となるよう支援。一方、ニュースケール社はSMRをコロンビア市のみならずSC州全体の経済開発の牽引力とするため、DOEが支援対象として選定する2設計の1つに応募する計画だ。

ニュースケール社のSMRは固有の安全性を備えた小型一体型PWRで、最大12基組み込むことにより54万kWまで出力を拡大することが可能。昨年10月に大手EPC(設計・調達・建設)契約企業のフルアー社が3000万ドル以上の投資を約束したほか、今年3月にはDOEのサバンナリバー国立研究所(SRNL)がSRSでSMRの開発と建設を支援することで同社と協力合意文書を締結している。

ニューハブ社はSC州中央部一帯で原子力ルネッサンスを通じて雇用の創出と経済の拡大効果を最大限にするため、地元の官民合同企業連合が2010年から開始した原子力共同事業体。同地域の原子力経済を活性化させるとともに、SC州を原子力技術革新のリーダー、SMR開発活動のハブとすることなどが主な目的で、関連の科学者や起業家、供給業者なども雇い入れている。


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