英国 余剰プル処分で PRISMの活用研究

英国の国立原子力研究所(NNL)は4日、GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社の小型ナトリウム冷却高速炉「PRISM」を利用した余剰プルトニウムの処分研究で協力していくため、同社と了解覚書(MOU)を調印したと発表した。

PRISMはGEH社が10年以上にわたって開発してきた受動的安全性能を有する次世代型の簡略設計小型炉。モジュール技術等の採用により36か月で建設できる。

NNLではPRISMシステムなら、2018年までに140トンに達するという英国の余剰プルトニウム処分に役立つと同時に、60万kW程度の発電も可能と認識。このため、燃料サイクル分析におけるNNLの専門能力と技術経験および様々な研究施設を提供しつつ、英国におけるPRISM炉の建設と利用の可能性を共同で探るとしている。

英国では昨年12月、政府が余剰プルトニウムの大部分をMOX燃料に転換し、民生用原子炉で再利用する政策が最も望ましいと確認。ただし、それ以外に国民に財政的負担をかけないプルトニウム管理の代替案があればいつでも受け入れると明言しており、原子力デコミッショニング機構が今年2月、改めて代替案の募集を呼びかけている。


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