ITER主要機器 各国で製造段階へ 核融合研究の現状を原子力委に報告

文部科学省、日本原子力研究開発機構、自然科学研究機構、大阪大学は10日の原子力委員会で、日本の核融合研究の現状について報告した。

原子力科学技術の重点化計画においては、1)トカマク(トカマク国内重点化装置JT‐60SA、JAEA)計画、2)LHD(大型ヘリカル装置、自然科学研究機構)計画、3)レーザー方式(大阪大学等)、4)炉工学――の4分野を推進するとしている。

磁場閉じ込め方式によるトカマク型とヘリカル型についてはそれぞれ原理実証段階を完了しており、現段階で最も進展しているとされるトカマク型は工学的実証段階にあり、より経済的でプラズマが安定するヘリカル型は工学的実証を目指す段階にある。レーザー方式は原理実証を目指す段階。

核融合エネルギーの実現を目指して国際協定に基づいて、7か国で装置や機器を分担している国際熱核融合実験炉(ITER)計画では、日本は超伝導コイル導体の製作やコイルの試作、加熱装置の技術開発などを着実に進めてきており、2012年度は建設に必要な機器の本格的な製作段階へ移行する。

超伝導コイルについては、全体スケジュールに沿って6極がそれぞれ役割を分担して協力し、19個を製作する。まず超伝導導体を日本が33個、韓国が27個、中国が九個、欧州が27個、米国が10個、ロシアが27個製作し、それを使ってコイル巻き線を日本が9個、欧州が10個製作する。日本が19個のコイル容器を製作し、巻き線とコイル容器を使って日本が9個、欧州が10個のコイルを完成させ、2015年5月から18年3月にフランスのITERサイトに納入する。


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