トン氏 重要パートナーとして今後も支援

震災後の1年間は日本の方々にとって非常に困難な時期であったにもかかわらず、その忍耐強く落ち着いた努力は米国民のみならず世界の人々に大きな感動を与えた。

地震と津波の数時間後に福島第一原発で事故が発生し、米国大使館では緊急事態を宣言。これをきっかけに米国の救援対応チームが結成されることとなったが、これには多くの省庁が支援活動を提供しており、米軍による大規模な「トモダチ作戦」も含めて重要な役割を果たすことができた。

米国がこのような積極的な支援活動に及んだ理由は、日本が民主的な米国のパートナーとして重要な国であるとともに、アジア太平洋地域の経済でも重要な役割を果たしているという点からだ。

昨年、日米の同盟関係は50周年を迎えたが、そこでは平和と安定が謳われており、経済大国である日本は米国にとって難しい問題――すなわち、中東やアフガニスタンなどの問題に対応するための重要なパートナー。また、エネルギーの安定供給、地球温暖化への対応という点においても、重要な代替エネルギー技術の開発で最先端を走る日本はリーダーなのだ。

今、この会場には原子力や科学の専門家が多数参加しているが、ご存知のように福島事故は米国における原子力に対する考え方やその安全対策に大きな影響を与えた。

しかし、ここで強調しておきたいのは、米国のオバマ大統領が「原子力は米国の非常に重要なエネルギーミックスの一部だ」と明言したことだ。原子力を安全なものと認識し、福島事故から教訓を学び、それによって人々の安全を保証していくという責任を我々は負っている。そして米国は日本が、そしてこの原子力産業界が復興し再生するなかで、最大限の協力をする所存であるということを忘れないでほしい。


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