坂根正弘・日本経済団体連合会副会長/小松製作所会長

日本は震災以前より、20年間全く成長していないという根本的な課題を抱えている。まずは経済成長の回復が必要であり、目標GDP達成のために必要なエネルギーおよび資源や資金などの個別要因を検討するのが先決だ。そしてエネルギーとその構成が決まれば、COなどの要素は自動的に決まるので、ここで初めてCO削減目標を設定するのがあるべき姿だ。ところが今の日本はエネルギーや経済成長、COなどの議論がすべてバラバラに行われている。「着眼大局、着手小局」で進めなくては答えが出ない。

停滞する国内産業の成長には、経済性と安定性を兼ね備えたエネルギー源が不可欠だ。エネルギーについて考えるには数百年先を考えていかなければならず、化石資源の枯渇を踏まえると再生可能エネルギーと核融合を含めた原子力しか生き残る道はない。

中長期的なエネルギー政策としては、安全性と経済合理性の確保を第一条件として徹底した省エネを進めると同時に、原子力、化石燃料、再生可能エネルギーなどの多様なエネルギー源それぞれについて、最大限に効率的かつ効果的な利用を行っていくべきだ。

当面のエネルギー政策としては、ストレステストや定期点検をクリアした安全性の高い原子力発電所を、きちんと情報公開した上で再稼働させていくことが不可欠となる。技術は30年も開きがあればかなりの違いが出るものなので、原子炉にもそれぞれ差があり、安全性にも濃淡があるはずだ。全炉が安全または全炉が危険という見方ではなく、各炉の性能を一覧できる星取表のようなものがあれば納得いくのではないか。

代替エネルギーに関しては、国家的規模でばらまき型の補助金制度ではなく、革新的な技術開発に投資するのが有効だ。


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