鄭根謨(チュン・クンモ)元韓国科学技術庁長官

韓国では3月に、「第18回環太平洋原子力会議」、「核セキュリティサミット」、「原子力産業サミット」と3つの大規模な原子力関係の国際会議が開催された。それぞれ主な議題となったのは、原子力安全、持続可能性、核セキュリティ、保障措置、使用済み燃料処理処分などの課題解決にむけた国際的な取組みである。今回の成果の1つとして、高濃縮ウラン保有量削減などの世界的合意が得られたことがあり、機微で重要な問題がより社会に認識され、原子力開発の発展に貢献していくことに期待したい。

長期的視点に立てば、TMI事故やチェルノブイリ事故、そして福島事故から得られた教訓に取り組んでいくことで、21世紀の原子力は、より安全で信頼性が高く、世界中の人々にとって受け入れやすいものとなることだろう。温暖化対策が迫られる今日、全ての非化石エネルギー源の活用が必須となっている。特に原子力発電は、多くの国々で電力需要が増大する中、非常に重要なエネルギー源である。

科学を基盤とした経済と優れた技術を持つ日本が今回の事故を克服していくのを世界は見守り、応援している。


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