マイク・ウェイトマン・英国原子力規制局(ONR)長官

IAEAの福島事故調査ミッションの団長として、現場の対応状況を目の当たりにした。「予測できない状況に果敢に取り組んだ」ことは、称賛すべきことと思う。

英国における原子力安全維持の理念は、「継続的改善」である。原子力産業の活動に関しては、50年以上の歴史を持つ強力で独立した規制機関が存在し、合理的に実行可能な限り、リスクを低減することが、法的に要求されている。福島事故を受け、原子力発電所の運転に対する国民不安が増大した。しかし、事故の教訓を踏まえた対応策、産業界と規制機関の公開性と透明性の確保とともに、「なぜリスクを受け入れるのか」について、理解を得る必要がある。

英国では、事故発生直後から、1万7000人の在日英国人を確実に守るため、「最悪の場合」を想定し、専門家による助言、国際的なステークホルダーとの連携など、万全の対応を図ってきた。

ONRは、福島事故を踏まえた教訓も取りまとめつつあり、ここで、産業界向けの提言を示す。

・電源などの外部への依存状態を見直す。
・福島第一と第二での結果の違いを見直す。
・洪水研究を見直す。
・複数原子炉の十分な安全状態を確保する。
・使用済み燃料管理策の妥当性を確保する。
・発電所のレイアウトを見直す。
・使用済み燃料プールの設計の妥当性を確保する。その他。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで